その後は香恋ちゃんとオモチャで遊び、次第に香恋ちゃんも受け答えてくれるかのようにキャッキャッ笑ってくれたし沢山お話もしてくれた。
5年分の詰まった話を私は話して、ママの久し振りの笑顔を見てホッとした気分になれた。
時間が経って夕方過ぎ。
香恋ちゃんはくたびれたのか、ソファーに寝転んだと思えば眠りに入っていた。
「寝ちゃったね」
「うん。そうとう楽しんで疲れたのかも」
香恋ちゃんを見た葵は笑みを零す。
「でも、こんな時間から寝て大丈夫なの?夜寝ないんじゃないの?」
「あ、大丈夫。いつもの事だから」
「そうなんだ」
ママは持ってきたタオルケットを香恋ちゃんに掛け、そのスヤスヤ眠る香恋ちゃんの寝顔がまた可愛い。
「あっ、そうだ美咲…」
不意に聞こえたママの声に反応すると、ママは立ち上がって居間に行く。
そして暫くして出て来たママの手には薄茶色い大きな封筒が持たれてた。
「うん?何?」
差し出されて首を傾げる私に、
「学校の資料」
そう言ったママから封筒を受け取る。
「あぁ。ありがとう」
「えっ、それって美咲が働く所の?」
「うん、そうそう」
「なんか美咲が教師なんて実感できないよ」
「私もだよ」
そう言って二人でクスクス笑った。



