「うん。そう」
「これ、美咲ちゃんの番号?」
「そう」
「じゃ、登録しとく」
「うん。…じゃなくて、学校は?何回も電話したんだけど」
そう言った私に一条くんの笑った声が電話越しから聞こえた。
「もしかしてなんか言われた?」
「え?」
「ほら、美咲ちゃん初めて俺にしつこく電話してくっから。だから誰かに何か言われたのかなーって…」
「……」
「そんなに何回も掛けてきたらなんか言われたの当然じゃん」
「あー…」
「ほら図星じゃん」
一条くんはクスクス笑った声が耳を掠める。
「あのさ、笑い事じゃないんだけど」
「わーった。わーった。今から行くから」
「来れるのならちゃんと来てよ」
「はいよ、センセ」
一方的に切られた電話。
そう言う時だけ、センセって言うのヒドイ。



