「あ、有り難う」
「チョコ溶けるかもだから冷蔵庫にでも入れてね」
「うん」
「あ、あとさ。これ葵に」
袋に入ったのを葵に差し出すと、即効葵は袋の中を覗き込む。
「わー何これ。凄く可愛いじゃん」
「でしょ?」
「写真立てがハートじゃん」
手に持って見つめている薄い水色のハートの写真立て。
私が一目見てすぐに、葵のだと思ったやつ。
「それね、ハミルトン島って所の海にね、ハートの形をした珊瑚礁があるの。すっごく綺麗でさ、見た瞬間、葵のだって思ったの」
「へぇー…行ったの?そこに…」
「うん。連れて行ってもらったんだけど、凄く良かった。あ、香恋ちゃんの写真でも入れれば?」
「うん、そうする。ありがと。ねぇ、美咲写真撮ってないの?」
「あ、あるよ」
鞄の中からカメラを取り出し、何枚ものSDカードも一緒に渡した。
「凄いっ!!5年分だね」
大量のSDカードに葵は苦笑いをする。
そしてカメラに目を向けている葵を余所に、私はママと香恋ちゃんに視線を向けた。
「あ、ママにもお土産あるからね」
「ありがと」
「香恋ちゃん、可愛いー」
「きゃははっ、」
可愛い香恋ちゃんの笑い声までもが可愛い。
ムギュっと抱きつく香恋ちゃんにママは呆れたように笑う。
プニプニとした肌がなんともいえないくらいに可愛い。



