そのまま名刺を持ったまま崩れ落ちる様に私はしゃがみ込む。
それと同時に頬を伝う涙とともに、私は持っていた名刺をグシャリと握り潰した。
今更…今更、父親だなんて認めたくない。
何もかも信じる事も何も…今は分かんない。
「…美咲」
しゃがみ込んでいる私の肩に翔の手がそっと触れる。
その触れた手が上下にゆっくりと動く。
「ごめん…。何もかも、もう分かんない」
伝う涙が今まで以上に熱かった。
ママが亡くなった今、何も聞けないし、そのママが亡くなった事自体まだ信じられない。
…会いたいよ、ママ。
「美咲…」
「……」
「関係ねぇ俺が、もう会うなって言ったけど、美咲がこの先も会いたいなら会ってもいいから」
そう言った翔の言葉が私にはよく分からなかった。
「どう言う意味?」
思わず口を開く私に、翔は小さく一息吐く。



