11月下旬。

肌寒く感じてくる季節が身体を少し震わす。

頭も心も何もかもまだついて行けないのに、季節だけは足早に進んでって周りの風景を変えて行く。


「あっ!!美咲っ、」


土曜の昼過ぎ。

葵に電話をしたらここだと言ってきた公園にあたしは来た。


少し肌寒いと感じられる公園では子供達がワイワイと騒いで居て寒さなんて関係なく遊んでいる。


「元気だねー…」


ベンチに座っている葵の隣に腰を下ろし、目の前で駆け巡る子供達に視線を送った。


「風邪の子だからね」

「ハハッ、そっか…。香恋ちゃんは?」

「あそこ」


指差す葵の方向に目を向けると、バケツとスコップを持った香恋ちゃんが砂場で遊んでた。


「相変わらず可愛いね」

「でもちょっと生意気。怒るしさ」

「へー…香恋ちゃん怒るんだ」

「思い通りに出来なかったりしたら良く怒る」

「あー…諒ちゃんに似てんだわ」


ハハっと笑うあたしに葵も少し苦笑いをする。


「諒也は甘やかすほうが得意」

「見掛けによらずか…。何もかも昔と変わってんだねー…」


透き通った空を見上げてからあたしは一息吐く。