「あー…それ里桜香も言ってた」

「え?」

「美咲ちゃんが好きってさ」

「そっか」


パァーっと笑みに変えたあたしの真ん前に一条くんは立つ。

階段のあたしより上に立ってる所為で、いつもより見上げる角度が高くなる。


そんな一条くんは咥えてたタバコを足で踏み潰すと、ニコッと笑った。


「ね、センセー…」

「何?」

「その好きって言葉、俺にも言ってよ」


急にそんな事を言ってきた一条くんはさっきよりも笑顔を増す。


「…え?」

「俺、美咲ちゃんの事スキだわ」

「…一条…くん?」


ちょっと戸惑って呟くあたしに一条くんはクスクス笑う。