「えーっと…分かるかな?ここ」
「……」
そう言われて画面を見る。
「ここがね袋なの。まだ5週に入ったばかりか…」
「……」
「5週の頃はね、ホントに分かりづらいの。袋もまだこんなに小さくてね。ここ、分かる?」
「…はい」
「まだ5週だから、胎児ははっきりと分からないわね…。けどちゃんと妊娠してるわよ」
「……」
「とりあえず来週も来てくれる?その頃には分かると思うから」
「はい」
病院を後にした私はそっとお腹に触れた。
ここに…ここに存在してんだ。
小さな命が。
そう思うば思う程、嬉しいって気持ちが湧いてきた。
嬉しさのあまり私は翔にLINEした。
“妊娠してた。また帰って話す”
送って少しして来た翔のLINEに思わず笑みが零れる。
“おめでとう”
今は凄い何だか翔に会いたいって思った。
会いたくて会いたくて、それほど感情を表さない私だけど、この時は本気でそう思った。



