思わず深いため息をついてしまった。
もう何もかも吐き出す様なため息。
「…もう…嫌だ」
だからだろうか。
気になる事が余計に気になってしまって、24時間の薬局に私は立ち寄って目的のものを買った。
薄い茶色の紙袋に入ってるのは紛れもなく検査薬で、それを私は無雑作に鞄の中に突っ込んだ。
帰ってからもいつも通りで翔と他愛ない会話をし、またいつも通りの朝が来る。
翔が仕事に行った後、私は昨日鞄の中に突っ込んだ茶色い袋を取り出して即効トイレに向かった。
「…うそ」
暫く経って、見つめるその検査薬。
…妊娠してる?
何だか心が焦りだした。
何度説明書を見ても、陽性反応。
暫くトイレから出れなかった。
妊娠している事に喜んでいいのかも今じゃ何も分からなかった。
まだ新しい環境に入ったばかり。私だけじゃなくて翔も同じ。
嬉しい反面、どうしようと言う反面。
自分がそうなってるって言う実感がまだ湧かない。
…翔に言わなきゃ。



