夕方。学校に着いても何だか気分が冴えなくて、色んな事が頭の中を駆け巡ってた。
何が一番気になるって言われても、そんなの分かんない。
もう沢山ありすぎて頭がついていけない。
授業中、気になるのは天野さんだ。
まぁ、別に人の事なんてどうでもいいって…そう今まで思ってた私だったけど、今の自分はそうじゃないらしい。
気になって、この前見た天野さんが気になって、つい視線が向いてた。
関係ないんだしって思ってても、いつの間にか視線を送ってた。
「…美咲センセ?」
そう天野さんに声を掛けられたのは帰宅時間。
もう22時を回った頃。
早く終わった私は今から校舎を出ようとした時だった。
私を待ってたかの様に天野さんは昇降口の所の壁に寄り添っていた。
「あー…気を付けて帰ってね」
素っ気なく、少し避ける様にそう言った私に天野さんはフッと笑った。
「センセ?気になるんだったら聞けばいいじゃん。私の事、ずっと見てた」
そう言った天野さんは寂しそうに視線を落とす。
「…何が?」
「何がって、この前見たじゃん。軽蔑するような目で見てた」
真剣な目付きで天野さんは私を鋭く見る。



