永遠の愛

「…美咲?」


不意に聞こえた声にドクんと胸が飛び跳ねる。


「え?うん?…何?」

「電気もつけねぇでどした?」


ドア越しから覗く翔に何もない様に笑みを作った。


「ううん。ちょっと学校の事で気になる事があって手帳見てただけ」

「学校?」

「うん」

「また何かあった?」

「ううん。大丈夫」

「そう…」


離れて行った翔に安堵のため息が出る。

適当に誤魔化してしまった。

これって言うべきなの?

いや、ううん。

まだ1週間くらいじゃん。遅れてんの。


これっていつ頃調べんの?

葵ってどうだった?いっその事、葵に聞いちゃおう。


ううん。いや、やっぱ聞けない。


そんな事ばかりが頭の中を過って、その日なんて結局、何にもする事なくとっくに過ぎてて、気づけば次の朝を迎えてた。