「…はよ」


そう言いながら翔は髪を乱暴に掻きながら起きて来たのは8時半。


「おはよ」


ソファーに座ってテレビを見てた私は立ち上がってキッチンへと向かった。

作ったサンドをテーブルに置き、アイスコーヒーをグラスに注ぐ。


「…うわっ、うまそこれ。作った?」


洗面所から出て来た翔は首にタオルを巻き椅子に腰を下ろす。


「うん。早く起きたから」

「で、大丈夫か?体調…」

「うん。なんか寝たら良くなった」

「それって寝不足じゃね?」

「…寝不足?」


翔の間向かいに座る私はコクリと首を傾げる。


「帰ってきて勉強したり、あんま寝てねぇだろ?疲れてんだよ」


翔はサンドを掴み頬張る。


“うまっ!”そう言った翔にまた首を傾げてしまった。


「え、けど翔と寝る時間同じじゃん」

「でも色んな事で疲れてんだって。今日はゆっくりしとけって」

「…うん」


その日はホントに一日中ダラダラとしてた。

昼を過ぎた頃、明日に備えて教科書を開いてみたり、そんな隣で翔はひたすら寝てた。


「…翔だって疲れてんじゃん」


ずっと寝ている翔を見て思わず思ってしまった。

絶対に疲れたって口に出さない翔。

そのやけに眠っている翔の姿が“疲れた”って言う証。