テレビに視線を向ける翔を見て、私は肩に掛けていた鞄を椅子に置く。

冷蔵庫から水を取り出して、いっきに口に含んだ。


やっぱ。何か変。

暑いからなんだろうか。身体が火照ったみたいな感覚がする。

ダルイと言うか気分すら優れない。

ちょっと、疲れてんのかな。


「…き?」

「……」

「美咲っ、」



ハッと目の前に現れた翔の顔。

その突然現れた姿に身体がビクっとする。


「あ、…え?」

「どした?」

「え?」

「頭、痛い?何度も擦ってた」


自分でも気付かぬうちに擦ってたらしい。


「あー…うん。ちょっと調子悪いだけ」

「風邪?」

「うーん…分かんない」

「つか、もう何もすんなって。寝れば?」

「…うん」


そう言った割には何かしろ動いてた。

でも、翔に寝ろってしつこく言われてベッドに入ったのが21時を過ぎた時間だった。