「それじゃあ、実行委員長広瀬悠次郎君。点火お願いします」

進行係に言われ、超作り笑顔で点火した。
それと同時に拍手が沸き起こった。

松明をスタッフに預け、梨沙の所へ。

「広瀬君、どこ行くの。一言挨拶なさい」

進行係に捕まり、マイクを渡された。
ハウリングが響く。
それと同時に全目線が俺に向く。

「…えぇ。その…本日はありがとうございました。皆様のおかげでいいミニ夏祭りになったと思います。事件とかありましたけど(笑)」

周りから笑い声が。

「今日まで、お手伝いしてくれた実行委員の皆様、学校の先生たち、そして地域の皆様。本当にありがとうございました。これからも桜取高校へのお力添え、よろしくお願いします。最後まで楽しんで行って下さい」

一礼。
大きな拍手をいただいた。
実行委員長らしい事言えたかな?
すげぇ不安だけど、まぁいっか(笑)

「ありがとうございました。それでは、キャンプファイヤーが消えるまで、お楽しみください」

これで点火式は終わったようだ。

「お疲れ様。閉会式までは自由にしてくれて構わないから。始めるころにはまたここに」

「あっはい」

解放された…