「じゃ、いってらっしゃい。いつでも帰ってくるのよ?」



そう言って微笑む若々しく可愛いお母さん。



「胡桃ー、俺は寂しいよー。」



「はいはい、いってきまーす。」



このままだと、また遥斗に抱きつかれる気がしてきたのでそそくさと家を出ることにした。



「イイ男連れて帰ってこないと家に入れないわよー。」



「なんだって!?胡桃に彼氏などまだ早い!!俺は許さないぞ!!」



という声が扉を閉めるときに聞こえてきたが、無視するとしよう。



玄関を出てから振り返って自分の家を見た。



しばしのお別れか…。



“さらば、マイホーム”私はそう心の中で呟き、家の門を閉めた。