「てか、俺たち席どこだよ?糞じじいに潤と近くだけはやだ。あと後ろにだけはすんなって言っといたから潤と隣で後ろだと思うけど。」



「お前、柊さん思いっきり利用してるよな。」



柳柊(やなぎひいらぎ)、それが糞じじいの名前だ。柳家の男は名前を一文字にするという訳の分からない伝統があるのだ。



糞じじいは俺への意地悪が大好きだから俺の言う通りには絶対しない。



それを利用してる俺は、糞じじいより一枚上手だ。



「えーっと、あったあった。おぉー、見事に後ろの方で潤の右斜め前…って、胡桃ちゃんの隣じゃんか!」



胡桃ちゃんは窓際の後ろから二番目の席。俺がその隣で潤は窓際の一番後ろの席だ。



超良い席じゃんか♪



「おー、まじだ。寝れんじゃん。ラッキー。」



「どーせ、お前あんま授業受けねえだろーが。」


「それはお前もだろ?」



俺らは中学のときからそうだった。俺たちの家は財界でも有名なセレブだからいざとなったら刃向かったやつをやめさせることぐらい簡単だ。だから先生たちも何もいえないんだ。



何やっても大丈夫なんだなー。ま、成績も良いし問題ねーみたいな。しかも、女だったら先生とかでも堕として利用すればいいことだし。



俺たちは先生が来るまでの間自分の席に座って昨日の女がどーだったとかいつもお前はそーだなとか話していた。