『きゃー!!!』



女の子たちが俺たちを見て歓声を上げた。その途端、隣にいる俺の唯一の親友の蓮光寺潤(れんこうじじゅん)が“チッ”と舌打ちした。



「そんな、あからさまに嫌がらないの!」



と、潤に小声で語尾にハートまでつけて言ってやると潤はまた舌打ちをした。



まあ、このせいで俺ら下足室の前に立ち往生だし迷惑な気持ちはわかるけど…。もっと愛想良くすれば、絶対もっとモテんのになぁ。



俺、柳悠(やなぎゆう)と潤は自分で言うのもなんだけど、頭も良いしスポーツもできる。なんてったってずば抜けて格好いいんだ。



俺らは非のうちどころのない完璧なやつってこと。



一つ、悪いとこをあげるとしたら性格に難ありって感じかな。



あ、あと俺らは金も持ってる。俺はこの学校の理事長がじいちゃんだし潤は結構、名の知れた蓮光寺グループの一人息子で御曹司ってやつ。



そんな俺らに女が寄ってこない方がおかしいんだ。