【赤ずきん】
状態を詳しく見てもらうって言っても本当どうすればいいのかわかんないんだってば〜!
うぅ、これで私この小人たちに殺されたらあのおばあさんを呪ってやる〜!
「さぁ着いた!」
おじいさんたちに連れて来られた場所は、家の裏の森の入り口だった
そこで美しく手を揃えて花が詰まったケースの中で静かに眠っている白雪姫がいた
ついその美しさに見とれてしまう…
「白雪姫…犯人を連れてきましたよ」
「眼を、お開けください…」
小人たちが白雪姫に呼び掛けてもフンともスンとも返事はなく、ただ眼を閉じているだけだった
もしかして死…
と思って、テレビでやっていたように白雪姫の脈をみてみた
「生きてる…」
ちゃんと白雪姫の脈は動いていた
「白雪姫は生きているのか!?」
「それはホントか!?」
「う、うん…」
生きているということを知らせると、小人たちは盛大に喜びあった
でも、白雪姫は眼を覚まさない…
このままずっと寝てるのかな…
「それで、白雪姫はいつ目覚めるんだ!?」
「…わかんない…」
「何!?」
「脈をうって生きてるってことはわかるけど、いつ眼を覚ますのかなんてそんなのわかんないよ…」
さっきまで賑わっていたのに、一瞬で静かになる
私も落ち込んでいると、一人の小人が
「くっ、あんた責任を取ってくれよ!」
と襲いかかってきた
「きゃっ!」
何とかギリギリ避けられたものの、また襲いかかってくる
もう一度避けようとした時、ズキッと右足に痛みが走った
さっき変な避け方をしたから足を挫いてしまったのだ
動けずに、もうダメだ!と諦めかけた時
「危ない!」
と誰かに体を押された



