赤ずきんちゃんと不思議な物語



「そうなんですか〜?
じゃぁ…そこのオオカミ?さんをちゃんとした人間にする、とかはどうですか?」




「え、そんなこともできんの?」



さすが魔法のランプ…



オオカミの後のクエスチョンマークはいらないけどな…



「あ、それいいですね!」


「うむ、わたしもいつオオカミを人間に、戻す薬を作れるかわからんからの」



「…いいと思う…」



おいおい、みんなそれでいいのかよ…?



「では、オオカミさんを人間にする、でいいですね?」



「はい」



「うむ」




「……コク」



「それじゃぁ…」




「ちょ、ちょっと待ってくれ!」



「へ?」



「オオカミくん、どうしたんですか?」



「まさかお主、元のオオカミに戻りたいとかいうんじゃ…」



「…いや、もう元に戻りたいとは思ってねぇよ
お前らとも会話できなくなるしな」



「じゃぁ…」



「けど、お前らは本当にそれでいいのかよ?
俺を人間にするって願いじゃなくてもいいんだぞ?
一人前の魔法使いになりたいとか、可愛いものが欲しいとか、人見知りを治したいとか…
叶えたいもの一杯あるだろ…」



「…何言ってるんですか、オオカミくん」



「わたしらの願いよりもお主の願いの方が大事じゃろ?」



「…自分で、治せる…」



「そうですよ、一人前の魔法使いになりたいや、可愛いものが欲しいや、人見知りを治したいなんて願い、努力すればてに入れれるものなんですよ」



「けどお主の〝人間になりたい〟という願いはどんなに頑張ったって手に入るものじゃなかろう?
まぁ薬を作ればあれじゃが…何年かかるかわからんのじゃ
一緒できぬかもしれないしの」



「だから、今叶えられる願いは叶えときたいんです」


「お前ら…
それで後悔しないのかよ…」



「…しない…」



「後悔なんてするもんかね」


「僕らはもう、仲間ですから!」




「……っ!」



俺をこんなに思ってくれる奴らはそうそういねぇよ…


「サンキュー!」



「じゃぁ、いきますよ?」









…俺は最高の仲間に出会えたな…