「……」
「オオカミくん?」
どうする…
「…ちょっと試したいことがあるんだが…」
ジャンヌが持っていたランプをもらって、ランプをこすった
この願いが叶えてば選ぶことなんかねぇけど…
何回かこすると、ボワンっとランプから煙が出てきて中からちっさいランプの精が出てきた
「ちっちゃ!」
驚くセドリックをスルーして試したかったことを聞く
「…願いを、増やしてください…」
これが俺の試したいことだった
「あ、そっか、1つの願いを増やしてもらえるとたくさん願い事かないますもんね!
オオカミくん頭いいです!」
納得したかのようにポンッと手を叩く
けど、ランプの精の答えは予想していた通りの回答だった
「すいません、それはできません」
「え、何でですか!?」
「よくいるんですよ、願いを増やして欲しいって言う人…
でも願いは3個までなんです
そう、ランプ精では決まってるんです…」
「そんな…」
がっくりと落ち込むセドリック
けど俺はそれが聞けて決心がついた
「じゃぁ最後の願いだ
…ばあさんの腰を、戻してやってくれ!」
「オオカミくん…」
「オオカミ…!」
「…わかりました」
了解を得たランプの精は、ポンッと消えた
その代わり、ばあさんの周りから煙が黙々と立ち上がった
「な、何じゃこれは!?」
「マジョリーヌさん!?」
「おばあちゃん!」
ばあさんに駆け寄ろうとするセドリックとジャンヌを捕まえる
「な、何するんですか、オオカミくん!?」
「いいから、大人しく見とけ…」
煙はばあさんのすべてを包んでからスーと上へ上がって消えていった
「マジョリーヌさん、大丈夫ですか!?」
「おばあちゃん…」
俺の腕から離れた二人はすぐさまばあさんの元に駆け寄った
「大丈夫だろ
ばあさん、動いてみな
治ってるはずだからさ」
「う、うむ…」
ゆっくりとばあさんは体を起こした
「…い、痛くない…」
「本当ですか!?」
「治った…」
満面の笑顔で喜ぶ二人
そして俺にも「ありがとう」礼を言ってきた
治したのは俺じゃなく、ランプの精なんだかな…



