「…これなぁに?」
後ろで突然声がして振り向くと、魔法のランプを持ったジャンヌがいた
「あ、それ!」
「そういえば何なんですか、〝あれ〟?」
指を指して首をかしげるセドリックに、俺は〝あれ〟について説明していった
「…―つまり、願いを叶えてくれるランプですか…」
「あぁ、けど願いを言えるのはあと一個なんだ」
「あと一個…
興味深いですね!」
キラキラとした眼差しを向けられる
「おい、調べるために分解させてくれっていうのはなしだぞ…」
「わ、わかってますよ!」
キラキラした眼差しはすぐ消えた
「…願い…
おばあちゃん、元気にして欲しい…」
「あ、それいいかもね!
どうですか、オオカミくん!」
「え、あ…」
小さく言ったジャンヌの案にセドリックは賛成だった
俺もそれでもいいかな、と思った
けど、よく考えてみろ
このランプは何でも叶えてくれるんだぞ?
お金持ちになりたいとか、一人前の魔法使いになりたいとか、一瞬で叶えてくれるんだぞ?
それでもばあさんの為だけに使うのか…?



