「それで、届け物って何かしら?」
「えっと、リンゴを2、3コです」
かごの中からリンゴを出した
「あら、美味そうなリンゴ!
でも誰からかしら…?
私がここに住んでいることを知っているのはここにいる小人さんたちと、森の動物さんたちぐらいなのに…」
「え?」
じゃぁあのおばあさん何で知ってたんだろう…?
「お前、白雪姫のこと話したんじゃないのか!?」
「な、何でワシなんじゃ!?」
「お前は口が軽いからな!」
いきなり二人の小人がケンカし始めた
「だったらお前こそ話したんじゃないのか!?
お前は自慢したがりやだからな!」
「なんじゃと!?」
「美しい白雪姫が自分の家におることを言いたくて言いたくて、ついポロッと口が滑って言ってしまったとも考えられるじゃろ!」
「そんな失態をわしがするわけなかろう!
お前こそ口が滑ったんじゃないのか!」
「何〜!?」
バチバチといがみ合う二人
そんな中、白雪姫が
「誰が言おうと関係ないわ
私は一生この家と、あなたたちと暮らすもの
いつか知られる日がきっと来るはずよ
それがちょっと早くなっただけじゃない
ね、みんな仲良くしましょ?」
笑顔でいう白雪姫に、二人の小人は顔がほんのり赤くなっていた
「…すまんかった」
「いや、わしこそすまん…」
二人は握手をして仲直りした
めでたしめでたし…
って違うよ!
まだめでたしじゃないよ!
私おばあちゃんにリンゴ届けてないもん!
「白雪姫、私もうひとつ急ぐ用事があるので、リンゴを受け取って下さい!」
白雪姫に手に取ったリンゴを2、3コを手渡した
「ありがとう、小さな赤ずきんちゃん」
「いえ、ではまた!」
手をふってくれている白雪姫を後にして、私はおばあちゃんの家に急いだ



