「おい、大丈夫か!?」



急いで駆けつけ、少年を抱きかかえる



少年は目を回していた



「ばあさんはどこだ!?」



キョロキョロと辺りを見渡してみる



あ…




何ともタイミングが悪い



赤ずきんとばあさんが遭遇してしまったのだ



しかもばあさんには少年と赤ずきんのダブルで腰をやられちまったらしい…



「腰にヒビが入ってるかも…」



ヒビ…



こりゃぁばあさん、白雪姫は諦めるしかねぇな…



そう思っていると、何とばあさんには赤ずきんに白雪姫のことをたくしやがった


「おいおい…」



そのまま赤ずきんは、転がったリンゴを拾ってばあさんを残し行ってしまった




「…はぁ、ばあさん、赤ずきんにあれをたくして良かったのか?」



しげみからでて、ばあさんをおんぶする



どうやら俺と少年は赤ずきんにバレなかったようだ



「なんじゃ、あの娘と知り合いか…?」



「まぁ、ちょっと…」



「そうか…
大丈夫じゃろう、あーいう素直な子ほど、必ずやりとげてくれるもんさ」




「…そうか」




このばあさん、赤ずきんまで共犯にしやがった…




「あいたた!
もう少しゆっくり運んでくれ!」



「へいへい…
って…あれは…」



キランッと目に入ったのは黄色いランプだった



ひょいっと拾ってみる



「これ、赤ずきんが持ってた…
落としていったのか?」



「なんじゃと?
それはあの娘のか?
多分わたしとぶつかった時に落としたんじゃろう…」


「ってことは…」



もう赤ずきんを探すこともなくなったってわけだよな?



願いも何でも叶えられるってことだよな!?



「よっしゃ〜!」



拳を上げて、ばあさんが落ちそうなぐらい大喜びした




「…ん、オオカミくん?
何をそんなに喜んでるんですか?」



気絶していた少年がやっと目を覚ました



「魔法のランプが手に入ったんだ!」



「魔法のランプ…?」



なんのことか分からずに首をかしげている



「それより、わたしを早く安静な場所に運んでおくれ〜」



激痛を訴えるばあさんにのためにも、説明は後ですることにした