幼なじみじゃイヤなんだ。 Before

「殺す!大石っ!!絶対殺す!!なに桜を泣かしてるのよ!」


「まぁ、まぁ、早苗。流瑠には俺からよく言っとく。早苗は、相澤のフォロー頼んだよ」






いつ来たのか、気が付けば野次馬達を押しのけて、マサと北条が俺達の前にいた。



俺は、それでも一言も喋れないまま、ただ桜の泣き顔を呆然と見つめてた。






桜が北条に連れられて教室に帰っていく。


野次馬達もヒソヒソ話しながらも解散し始めた。






「どうも、野中がフラれた事実を隠すために、お前の悪評判を立ててごまかそうとしたみたいだわ。『大石くんが、いきなりひどいことを言って来た』と泣きながら、嘘吐いて回ってたみたいだよ…」






マサのその言葉を聞き終えると、5限目の予鈴が校舎に鳴り響いた。