幼なじみじゃイヤなんだ。 Before

“好き”




そのワードはさっきよりももっと、俺の心を動揺させ、顔にもっともっと熱が集中して来る。




も、もう無理…限界!






「桜!一体いつまで俺につきまとうつもりなんだよ!」


「え?」


「本気でうっとうしいんだよお前!!」






てんぱったまま、気が付けばそんな言葉を桜に吐いていた。



俺の腕に絡みついていた、桜の腕が緩んで離れて行く。





自分が言った言葉を思い返して頭が真っ白になる。


言い訳もなにも出来ずただ呆然と立ち尽くしてた。






桜の顔はみるみる真っ赤になり、眉間を寄せる。


下唇をグッと噛み締めて、両手の拳は強く握りしめられていた。






野次馬達も一斉に桜に注目した。