幼なじみじゃイヤなんだ。 Before

なっ!?






心臓が爆音を上げて飛び跳ねた!




桜に絡みつかれた腕に全神経が集中してしまう。




生まれてこの方、桜のこと、男だの女だの考えたことはなかったのに、今、俺と桜の違いを思いっきり感じていた。








左腕に感じる柔らかさは…




“桜は女なんだ”




ものすごい勢いで顔に熱が集まってくる!






「放して!桜…」


「イヤ!放さないっ!!」






野次馬が俺達を囲むようにどんどん増えていく。

所々から冷やかしの声も聞こえてきて。






「は、放せ!頼むから!」


「イヤ!私のこと“好き”って言うまで放さない!!」






そう言って、さっきより強く抱き付いて来た。