幼なじみじゃイヤなんだ。 Before

「…なに?」






キッと睨む桜が目の前に立ちはだかる。


急になにがどうしたと言うのだろう?






「流瑠!野中さんのこと泣かしたでしょ!!」






怒った桜の声は廊下に響いて、それを聞きつけた同級生達が野次馬となる。





「え?野中?…あ、朝のあの子?」





俺の言葉を聞いて、余計に桜の目が鋭くなった。






「野中さんが泣いてたのは流瑠のせいだって聞いたけど?なに言ったの?泣かすほどきついことを言ったの?」






俺達の周りを取り囲むように、野次馬の数が増えていく。



その中にはあの小池もいる。






「は?あの場合はあー言うしか仕方なかったんだよ!」


「仕方なくない!!泣かすようなことは言っちゃだめ!」






じゃぁ、どう言えば良かったって言うんだよ!


野中と“付き合え”ってことかよ!



そう思うとまたイライラがピークに達する。