幼なじみじゃイヤなんだ。 Before

マサが言ったこと、さっき浮かんだ桜の笑顔。





とんでもない“予感”を打ち消しながら、昼休みを迎えていた。



弁当も食べ終わり、今度こそひとりで過ごしたいと教室を出る。




開け放たれた渡り廊下の扉の前を通った時、今朝聞いたその声に思わず足が止まる。






…小池だ!







「相澤っていいよなぁ」





小池の言葉にビクッと肩を揺らした。





「相澤?そういえば今日、お前数学の宿題見せて仲良くしてたな。あーいうのがタイプだった?」





小池の友達が言った。





「いや、全然違う」


「?じゃぁなんで?」


「この間英語の宿題見せてやってた時なんだけど、その時『ありがとう小池くん。優しいね』って言って、『好き!そういう所』って、ニコッと笑ったんだ」


「おぉ…」


「それきっかけで気になっちゃったんだよ。相澤のこと」