「あのさ、相澤さんに聞きたいことがあるの」


「…うん」


「え、えっと…大石くんのことなんだけど……」




きたきた。





「えっと、えっと…大石くんって志望校決まった?」





やっぱりその質問ね…。





「あ、うん。北高だよ」






私の言葉を聞いて彼女の目がキラキラ輝きだした。






「そうなんだ!やったぁ~!!!あたしもそこなら合格圏内!あたしも志望校、東高に決ーめたっ!ありがとう!相澤さん!!」


「…い、いいよ。これくらい…気にしないで」






この間から、この調子。




流瑠のファンが次から次へと私の所にやって来る。


そして、みーんな『北高に決めた!』って言うの。





流瑠のせいで絶対北高の倍率上がる…




そのせいで、当の本人が落ちるんじゃないかと心配になる。




まさに、自分で自分の首を絞めるってやつ?