幼なじみじゃイヤなんだ。 Before

* * *




教卓では先生が校内模試の結果を返している。

私は前の席に座る早苗に話し掛けていた。





「聞いてよ早苗!流瑠ってば2年のバレンタインの時、山のようにチョコ貰ってたんだって!」


「…まぁそうだろうね」


「私に隠してたんだよ!しれっとした顔して『貰ってない』って言ったんだよ!!本当は山ほど女の子からチョコ貰ってるのに!!」


「言いたくなかったんじゃないの?」


「私に隠すなんて、嘘つくなんて許せないよ。女の子からい──っぱいチョコ貰ってたなんてさ…私聞いてないもん」


「……」


「あっ!!もしかして、その前のバレンタインもいっぱい貰ってたのかな?っていうか、毎年いっぱい貰ってたのかな?」


「……」


「そうだったのかなぁ?」


「……ねぇ、桜」


「ん?」


「ずいぶん気になるんだね。大石がたくさんチョコ貰ってたことが」