幼なじみじゃイヤなんだ。 Before


「うん。そうだよ…って、そうだ!流瑠!!あの時私が『チョコ貰った?』って聞いたら『貰ってない』って言ったよねっ!実はたくさんの女の子達から貰ってんじゃん!!なんで私に嘘つくのよ!!この嘘つきっ!泥棒の始まりっ!!」



「あぁ…もう……いい…嘘つきでも泥棒でも…もう、言い返す気力もない…」






流瑠は膝に手をついてうな垂れている。






「はい?何?認めるの?じゃぁ“二度と桜ちゃんに嘘はつきません”ってここで宣言してよねっ!」


「二度と桜に嘘はつきません……」


「桜じゃなくて桜ちゃん!!」


「桜ちゃん、って……あぁ……!」






流瑠がうな垂れながら頭をぐしゃぐしゃかき回した


その時───







「相澤っ!!危なっ……」







大きな声が聞こえて、咄嗟にそちらを振り向くと、サッカーボールがものすごい勢いで私の方に飛んで来ているのが見えた。