幼なじみじゃイヤなんだ。 Before

「あれ?桜?何してるの?」





流瑠が私に気付いて、駆け寄って来た。





「え?何って…あ、なんだっけ?」





ボーっと流瑠を眺めていた私は、当初の目的を忘れていて。





「おいおい、俺に聞くなよ…。何でこんな所にいるんだよ?もう、授業始まるぞ」


「…あ!そうだ!思い出した!」


「ん?」


「流瑠!私聞いたんだからね!隠しても無駄よ!嘘ついてたでしょ!」


「はぁ!?なに急に?」


「しらばっくれても無駄よ!よくもまぁ堂々と……」


「おいおいおい!なんなんだよ!嘘ついてもねぇし、しらばっくれてもねぇよ!」





流瑠の両腕をがしっと掴む。

流瑠を見上げて目をじっと見つめる。





「知ってるよね!私…好きなの!本気で大好きなんだよ!」





流瑠から目を離さず大きな声でそう伝える。

嘘を付かれていたことが悔しくて、少し涙目になってしまった。