「さっき、キスしてたの見てたのって琥珀チャンだよね?」
「……えっ!?」
や、やっぱりあれ目合ってたんだ……
うわぁ、最悪。
「何?興味あんの?」
男はそう言ってあたしに顔を近づけてきた。
「違いますっ!!」
あたしは男から離れて、少し睨み、
「あたしは、そういうの興味無いんで結構です。ていうか、広山さん……彼女居るのに、他の女の子とあんな風に約束するって……かっこわるいですよ」
言った後に、
何言ってんだろと思ってしまった。関係無いのに。
でもつい、カッとなって言ってしまった。
だって、母親と父親を見ているようで。
軽い人間は大嫌いだから。
「ふーん。電話も盗み聞きってワケか」
「っ!……」
「てか、彼女じゃないし、あの子」
「え……?」

