「明日土曜日だし、学校休みだよね?」


「はい」


「じゃあ、明日10時頃来てくれる?8時オープンだけど、早めに来ても琥珀ちゃんまだ何も知らないから戸惑うだろうしねっ」


「分かりました。じゃあ、明日また10時に来ます」



あたしがそう言って頭を下げると、

新山さんは笑顔で手を振ってくれた。



あたしは店を出て、家に帰ろうとした。

柳瀬に「帰りも分からなかったら電話して来いよ?」

って電話をしてた時に言われたけど、

さすがにもう迷わない。


なのに。

何故か電話をしたくなってしまった。



でも別に特に話すこともないのに電話なんて。


「っていうか、あたし何考えてんだろ・・・」


あたしは携帯を閉じ、

電話はせずに自分の家に向かった。