素直じゃないあたしを温めて


目の前に居るのは、紛れもない、あたし達を捨てた父親で。


あの日以来ずっと、会って無かった。



いざ会うと、「憎い」なんて感情じゃなくて「久し振り」

そんな感情を抱いている事に気が付いた。




「……」



でも何か、雰囲気が変わっている。

髪型変わった?服装も変わった?



……ううん。



あたしの知らない女の人と小さな二つくくりの女の子。



……きっと、新しい家族が出来たんだ。


相手は、あの時の女の人……?



「あ……」



向こうもあたしに気付いたみたいで。



あたしも何て言って良いか分からずあたふたしていた。