「はぁ……」
小さくため息をついてから、自分の新しいアパートへ向かって歩き始めた。
結局、何かを察したのか新山さんは
「顔色悪いよ?今日はもう帰りなよ。給料要らないって言ったけど、琥珀ちゃん今までずっと頑張って来たし……急だからちょっと少ないけど、はいこれ。
いつでも遊びに来てね!待ってる。頑張ってね!」
とそう言ってくれた。
新山さんの人の良さにはいつも感心する。
あたしも、彼女みたいになりたいって何度も思った事がある。
あたしは、給料を有難く受け取ってWarmthを後にした。
「あ、間違えた……」
まだ慣れない自分の新しい家。
前のアパートに帰る道へ行こうとしていた。

