「別に、今返事欲しいとかじゃないから……待つから。琥珀チャンの気持ち聞かせて欲しい」
「……」
「俺、今日のバイトもう終わったからもう帰るわ。じゃあな」
そう言う拓未くんに何も言えず、
ただ去って行く拓未くんの姿を見るだけだった。
「最低だあたし……」
一瞬でも、拓未くんからのキスを受け入れようとしてしまった。
自分が本当に情けなくなる。
あたしは何がしたいの……?
柳瀬が置いて帰った紙袋の中を覗くと、
靴下とあともう一つ……
【元気でな】
そう書かれた紙が入っていた。
あたしはその紙を握り締め、
声を上げて泣いた。
本当に自分が嫌いで嫌になる。
あたしは……
あたしは一体何をしているの?

