「それで、私の知り合いに養護施設で働いている人が居るから千奈ちゃんと晴季くんはそこの施設に預けたらどうかなって……」
「施設……」
施設に預ける。
それはあたしが絶対にしたくないと思っていた事。
千奈と晴季を預けるなんて……
「ちょっと気が引けちゃうかもしれないけど……一番それがあの子達にとって良い方法なんじゃないかなって私は思うの」
「……」
確かに、そうかもしれない。
でも、それでも────
「琥珀ちゃん、あの子達に同じ思いをさせたくないって思ってるんでしょう？」
「え……？」
「そうね、そうなるかもしれない。だけど、あの子達もちゃんと分かってくれると思うの。貴方が思っている以上にあの子達は成長したわ……」
「……」
本当に、そうなのだろうか。
千奈や晴季、そして美砂は、
本当に、「仕方ないよ」
そう思ってくれるのだろうか。
