「……」
そんなあたしをじっと見つめる由香ちゃん。
「……何?」
「良かった、やっと笑ってくれた」
「……」
由香ちゃんはあたしの頭の上に優しく手をポンと置いて、あたしに笑顔を向けた。
その瞬間、あたしの心はいっぱいいっぱいになって、
涙が溢れそうになった。
そんなあたしに気付いたのか、
「尚、あそこ座って良い?琥珀と女子会ー」
「ったく。バレたら怒られるの俺じゃんよ」
と言いつつも、冷蔵庫からオレンジジュースを出して、由香ちゃんに渡していた。
「さんきゅっ」
由香ちゃんはそう言うと、
あたしの手を引いて一番奥の席に座った。

