「つーか、まだ開店してないのに来るなよー忙しいのに」
「まぁまぁ、良いじゃん!遊びに来たの!」
「で、そちらは……友達?」
とあたしの顔を見ながら近付いて来たその人に、
あたしは「どうも」と頭を下げた。
「うん!同じクラスの琥珀って言う子」
「へぇ、由香が此処に友達連れてくるなんて珍しいな。コイツ、煩くて嫌になると思うけど仲良くしてやってね」
とニッコリ微笑みながらそう言った。
あたしははい、と頷くと、
「ちょっとー!煩いって何よー!」
口を膨らませてそう言って居る由香ちゃんが可愛かった。
「あ、この人は松阪尚人。此処のバー経営してるの。家が隣で、あたしが小さい時からお世話になってるオジサンだよー」
「おいおい、オジサンはねぇだろ。お兄さんだろそこは」
「うっわぁ、そのノリ引くんですけど」
「うっわぁ、学校サボってるヤンキー由香に言われたく無いんですけど」
そんな二人の、
テンポが良い会話が可笑しくて、
思わず笑ってしまった。

