「……」


あたしの目をじっと見つめる柳瀬。



何よ、あたしを「カワイソウ」

だとでも思ったの?



「同情なんていらないからね」


「茂里……」



あーもう、ほんと、そういう顔されんのがいっちばん嫌い。




「アイツらは捨てたのよ、あたし達を。不倫したあげく、捨てるなんてね」


店のドレスのまま出てきたから、

肌の露出が多く、寒くてあたしが小刻みに震えていると、


柳瀬がコートをそっとあたしにかぶせた。


「ごめん、このまま連れ出して」


「ほんとだよ」