「な、なに？」
「別にー。あ、てか天王寺さんって呼ぶのやめてよ？由香で良いって、由香で」
急にそんな事を言われ、あたしはまた更に吃驚していると、
「名字プラスさん付けとか超距離遠いって。そんなの無理ー」
と髪の毛をいじりながらそう言って、
「ね？」とあたしに微笑んできた。
「由香……ちゃん」
「……まぁ良いや。琥珀って呼んでいい？」
「え、あ、うん」
……
まさか……クラス一派手な、
もっとも関わりにくそうな天王寺さん……
いや、由香ちゃんとこうやって親しげな話したりするとか
思っても居なかったから、少し戸惑う。
別に仲良くしたくない訳じゃないけど、
何かちょっとこういうの久し振りで……
ちゃんと笑えているか心配になる。
