「俺っ、俺っ……!」 「分かれば良いんだよ」 柳瀬はまるで小さい子供をあやすかのように頭を撫でた。 しばらくして落ち着いたのか、 山崎くんは泣きやみ、すっと立ってからあたしの方を向いた。 「琥珀……ごめん。俺……」 あたしはそんな彼に優しく微笑み、 首を振った。 「俺、琥珀は先生じゃないと駄目だって、心のどこかでは思ってたのに……」 「……」 「ごめんな。先生と幸せになれよ」 そう言って立ち去ろうとした山崎くんに、 「待って!」 最後に、一つだけ。