柳瀬の事を消したつもりだった。 でも…… 今さっき、教室の窓から見えた柳瀬の後ろ姿を見ると、 泣きたくなるような、どうしようも無い気持ちになった。 「琥珀」 そう言って山崎くんは無理矢理あたしの腕を掴み、教室を出た。 「山崎くん……?……いたいっ」 山崎くんはあたしのそんな声を無視して、 ずかずかと廊下を歩いて行った。 そして、音楽室に入るとドアを荒々しく閉め、 中から鍵を閉め、あたしと山崎くんの二人きりになった。 「山崎くん……?」