私には王子様っていないのぉ?


 ありえないでしょ。


 この私に王子様がいない?


 ハハッ、思わず笑っちゃうわ。


 彼女はわざとらしく笑う。


 だって、


 私だけいないなんてありえないじゃない。


 その時の彼女の顔は、


 悪に満ちた顔だった。