「浅野、きっと好きな子に話し掛けるだけでも舞い上がるぞー。
 本当に好きなら断られたって、んな恨まないって。
 それに、返事保留にさせたんなら、少しは断られることだって考えてるよ。

 それともなぁに?付き合ってみたい?浅野と。」

「……嬉しいんだけど…、嬉しいんだけどね、でも、ね…付き合う、となると…
 まだ浅野君の事、私、何も知らないし…。」

「そう。……七虹、可愛い。」

「え…?」

「また明日も、七虹と話したい…!」

「へ?え?」

「明日もここで会おうぜ…?アタシ待ってるよ。
 じゃあ、またな!」

「えっ、あ。うん…!また。」


早々と立ち去った彼女の背を目で追い、
口元を緩めた。

(話したい、だって…)

正直、浅野くんの告白より、
数倍嬉しかった。