この時点でクラスには7人あと1人来ていなかった。学校のチャイムが鳴り席に座った。…のだったが教室の時計はSHRが始まる時間の10分前だった。首を傾げていると先生が入ってきた。先生の顔が呆れてるような感じがした。


「俺は、ここの担任になった馬場良平だよろしくっ」「「「よろしくお願いします」」「まず最初にやってもらいたい事があるんだ。」
「?」


先生は教室の時計を指差した。


「この時計の時間を直してくれ」
「やっぱりズレていたんですか?」
「いや、ズレていたわけじゃなくズラされたんだ!」
「「……はっ!?」」


ズレていたんではなくズラされたと言うと人為てきにズラされたということ。一体誰がと考えていると教室に誰か入ってきた。


「ちぃーす!」


ブラウン系の髪色の髪を揺らしながら入って来る。先生は彼を見るなり怒りマークがついた。


「2年F組森谷士斗音-モリタニシトネ登校しましたぁ。」
「何が登校しましただぁ森谷ぃ、お前がズラしたんだろ!!」
「違いますよぉ、時計が勝手にズレたんですよぉ」
「誰が時計がズレたって言ったか?」
「あっ…ヤベッ」
((自分で墓穴掘った!?))


やっちまったぁ、と言いながら頭をボリボリと掻いている森谷。犯人が当たって嬉しいのか分からない感情に襲われていた先生だったが本来の目的を思い出した。


「放課後F組全員で時計直して来いっ!連帯責任だ!」


その後の放課後はF組皆で時計を直しに行った。こうして始めの一歩は大きく挫かれ気味になったのだった。