403号室、403号室は
「ここね、……ん?」
ドアの近くの開いていた窓
から風が吹き込んで
揺れたカーテンの隙間から
桜の花びらがふわりと舞い
落ちた
「……これは、桜?」
そっとしゃがんで拾い上げた時
私の前に彼が現れた
『――本日から桜様のお世話をさせていただく、
四月一日 湊と申します』
少し明るいブラウンの髪の毛に薄桃色の瞳
高い鼻によく通った鼻筋
誰だろう、ってゆーか
「何で私の名前を?」
『桜様の事は以前から存じ上げておりました、
本日から桜様の執事として
お使いください』
「……は?
そんなこと、一言も聞いてないんですけど」

