『おはようございます、桜様』




目が覚めると目の前に
四月一日くんが立っていた




「……」


『今日も良い天気ですね』


「……ちょっと、」


『桜様は朝食に何を召し上がりますか?

和食、フレンチ、何でも
御用意致します』


「ちょっと!」


『はい、』




眩しいくらいの笑顔を向けられて


私は一瞬、言葉が出てこなかった




「な、ん、で、
あなたが私の寝室にいるの
かしら?」


『それはもちろん、
私は桜様の執事ですから』



それはそうだけど



「……身辺警護はお願い
したけど身の回りの世話まで
頼んでないから」




これじゃ何のために家を
出たのかわからない