……、
……?
恐る恐る顔を上げると
私は彼の腕の中にいた
そして彼の左腕にはさっきまで犯人が持っていたナイフが
刺さっている
『桜様、お怪我はございませんか?』
「私より、あなた、その腕……!」
『このくらい私には何でもありません
私は普通の人より丈夫に
できておりますので』
「え……?」
どういう意味なんだろう
私が聞こうとした時、
『くそっ、いい加減にしやがれ!!』
再び犯人が私達に向かってきたが
『ぐえっ』
彼の鮮やかな突きをくらった
犯人はカエルがつぶれたような声を出してその場に崩れるように倒れた

