お嬢様と執事。~桜の奇跡~










『本日の朝食はベーグルと
野菜サラダ、メロンで
ございます』



ワゴンで朝食を運んできた
彼は私の前で恭しく頭を下げた



「だから、これくらい自分で……」



『いいえ、私にお任せください』



私の言葉を無視しててきぱきと机の上に料理を並べ始めた




「……全く、あなたって
何を考えてるのかさっぱり
分からないわ」


『桜様がそこまで私の事を
気にしてくださるなんてっ……!』


「いや、そうじゃなくて


……もういいわ」



なんだか彼のペースに乗せられている気がする





私はため息を一つついて
目の前の朝食に手をつけた